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予期せぬ鉢合わせにイルカは掛ける言葉に迷い立ち尽くしていた。と、同時に脳内シミュレーションが始まる。
ーーぁ、カカシさん、お久しぶりです‥ぃや、こんにちは‥か?
ぇーと、あの時は助けて頂いて有難うございました。貴方もご無事で何よりでした‥って‥ゎわ、俺が云えた立場じゃないか‥ιぇーっと、それから‥ーー
焦って頭の中で文章を組み立てていると、突っ立ったまま固まっているイルカにカカシが気付いた。
目が合った瞬間に頭の中が真っ白になり、ますます慌ててしまう。
あげく見開いた目をうろうろと所在無くさまよわせる。
随分と挙動不審だったらしく、カカシは「ん?」という顔をして真っ直ぐイルカに向かってきた。
「イルカ先生?どうかされましたか?」
少し高い位置から心配そうに顔を覗き込まれ、心拍数が跳ね上がった。
「あ、いや、その‥何でもな‥いぇ、貴方に‥」
カカシに会っただけでなぜこうも取り乱してしまうのか自分でも分からぬままに、完全にパニックになったイルカは
「貴方にずっとお礼が云いたくて」
と云うべきところを、
「貴方にずっと会いたくて」
と熱烈な告白めいた言葉を口走っていたのだった。
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