サイ

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情報を集めるのも難儀している。そもそも名前しかわからない人物を探すなんて砂漠で米粒を探すようなものだ。 しかし、必ず存在はするはずだ。それだけを信じて探すしかない。 こういった街には必ず情報屋が存在している。まずは手当たり次第情報屋回りだ。まるで営業の飛び込みをしている気分だ。 まずは情報屋探しだが、こういった事はヤクザが詳しい。 五光街には3系統のヤクザが共存している。全国規模の大松組、この地方では有名な笹山組、そして人数こそは少ないが、頭がキレて、腕っ節も強い組長がいる龍愛興業。 まずは大松組から情報を得るため組員と接触した。 まだ三下の云わばチンピラの鈴木という男だ。もちろん報酬として金もかかる。これが10万から20万。決して安い金額ではない。しかし、今は頼りがないので仕方ない。 鈴木とは、大松組より5分ほど離れた喫茶店で待ち合わせした。店に入ると鈴木は奥の席で煙草をふかしながら競馬新聞を読んでいた。私に気づくと鈴木は私を呼び話し出した。 「あんたがミホさんか?まー座りなよ。なんか飲むかい?」 私はコーヒーを注文した。 コーヒーがくる前に鈴木は話始めた。 「大体の話は聞いてるよ。あんたサイを探してるんだって?」 「はい、鈴木さんはサイを知っていらっしゃるんですか?」 「ま~焦るなや。コーヒーが来てから話そうか。」 「はい。」 「ちなみに金は持ってきたか?」 「はい。言われた金額は持ってまいりました。」 「そうか。」 ウエイターがコーヒーを置くと鈴木は話始めた。
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