0人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ
♪~♪~♪
携帯のアラームが鳴った。目は開けずに手探りで携帯を探して、アラームを止めた。
『ん~…。』
意識を手放す…
バッ!!
『起きなきゃ…。』
眠たい目を擦って、無理やり起きた。
テーブルには、昨日飲んだビールの空き缶が転がっていた。
簡単に、朝ご飯を済ませて支度をして、家を出た。
『眠てぇ…。やっぱり、次の日会社の日は飲むんじゃなかった。』
溜め息をついて、ホームに立ち、満員電車を待つ。
「よう、優輝!」
『よう。』
「昨日飲んだのか?」
そう言って横に並んだ。
『やっぱり、わかるか?』
手に息をかけて、アルコールの匂いがするか確かめてみた。
その動作を見て少し馬鹿にしたように笑った。
『なんだよ?』
「いや~、お前もお酒飲むようになったんだなと思ってさ。」
『付き合いで飲まなきゃいけないんだ、嫌でも飲めるようになるだろ。』
そう言うと彰は、「まぁな。」と言って笑っていた。彰とは、昔からの幼なじみだ。
「まもなく、地下鉄が到着いたします。白線より下がってお待ちください。」
放送の後に、地下鉄が到着した。いつも通り、ぎゅうぎゅう詰めに人が入り込んでいた。二人で、溜め息をつきながら、狭いスペースに無理矢理体を押し込んだ。
電車のなかは、オジサンの加齢臭や香水の臭いが充満していた。でも、もうこんなのには慣れたもんだ。
「あっ、プレゼン進んでるか?」
『いいや、意見が割れたりしてさ…今日も残業だな。そっちは?』
「あぁ。こっちも、残業確実。なかなかチーフがOKくれなくてさ…まいったよ。こう、残業が続くと体がどうにかなりそうだよ。」
彰の嘆きに、笑って答えた。
ここ最近、ゆっくり寝たためしがない。体がそろそろ悲鳴をあげてもおかしくない。
最初のコメントを投稿しよう!