始まり

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♪~♪~♪ 携帯のアラームが鳴った。目は開けずに手探りで携帯を探して、アラームを止めた。 『ん~…。』 意識を手放す… バッ!! 『起きなきゃ…。』 眠たい目を擦って、無理やり起きた。 テーブルには、昨日飲んだビールの空き缶が転がっていた。 簡単に、朝ご飯を済ませて支度をして、家を出た。 『眠てぇ…。やっぱり、次の日会社の日は飲むんじゃなかった。』 溜め息をついて、ホームに立ち、満員電車を待つ。 「よう、優輝!」 『よう。』 「昨日飲んだのか?」 そう言って横に並んだ。 『やっぱり、わかるか?』 手に息をかけて、アルコールの匂いがするか確かめてみた。 その動作を見て少し馬鹿にしたように笑った。 『なんだよ?』 「いや~、お前もお酒飲むようになったんだなと思ってさ。」 『付き合いで飲まなきゃいけないんだ、嫌でも飲めるようになるだろ。』 そう言うと彰は、「まぁな。」と言って笑っていた。彰とは、昔からの幼なじみだ。 「まもなく、地下鉄が到着いたします。白線より下がってお待ちください。」 放送の後に、地下鉄が到着した。いつも通り、ぎゅうぎゅう詰めに人が入り込んでいた。二人で、溜め息をつきながら、狭いスペースに無理矢理体を押し込んだ。 電車のなかは、オジサンの加齢臭や香水の臭いが充満していた。でも、もうこんなのには慣れたもんだ。 「あっ、プレゼン進んでるか?」 『いいや、意見が割れたりしてさ…今日も残業だな。そっちは?』 「あぁ。こっちも、残業確実。なかなかチーフがOKくれなくてさ…まいったよ。こう、残業が続くと体がどうにかなりそうだよ。」 彰の嘆きに、笑って答えた。 ここ最近、ゆっくり寝たためしがない。体がそろそろ悲鳴をあげてもおかしくない。
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