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『急ぐぞレオン』
一刻も早く壁を修復する為、エスペリオンが速度を上げ更に沈んでゆく。
『うむ。……っ! エスペリオン、避けろっ!』
エスペリオンの後ろを追うサンレオンも同じく速度を上げようとしたその瞬間、どこからとも無く五つの光が飛来した。
速度を上げ無防備になったエスペリオンにそれを避ける術は無い、しかし咄嗟の判断でサンレオンがエスペリオンと光の間に割って入った。
『ぐあぁぁぁぁっ!!』
五つの光をその身に受けたサンレオンは、その衝撃と激痛に悲鳴を上げる。
『レオンッ?!』
『くっ……お前は…人間界へ』
振り返ろうとするエスペリオンを、サンレオンの言葉が制する。
『エスペリオン……行けぇっ!!』
一瞬周囲を太陽の輝きに良く似た光が埋め尽くし、五つの光を押さえ込む。
『レオォォォォンッ!!』
エスペリオンはサンレオンの放つ光を背に、友の名を叫びながら独り人間界へと向かうのだった。
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