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「紅月、神崎、朝から楽しそうだな」
突然現れ後ろからがしっと二人の首に腕を回し、口許にフッと冷笑を浮かべる青年。
「せ、赤先輩?!」
「部長、苦しぃ……」
二人は困惑気味に自分の首をホールドする人物を認識した。
鳳凰寺 赤【ほうおうじ せき】、八雲学園大学部の二回生で剣道部の現部長。
面倒見が良く男子の後輩からの支持が高く、特に中・高等部くらいからすれば憧れの的である。
事実上剣道部の全権限を持っており、練習内容の決定、レギュラー選抜などは全て彼が行っている。
彼の考案する剣道部の練習は特にハードで、レギュラーメンバーは本当に動けなくなるまでやるのが基本だ。
「き、奇遇っスね、校門で会うなんて」
竜斗の引きつった笑顔に、赤は嬉しそうに「そうだな」と応える。
「ほーんと奇遇よねぇ。まさか彼との楽しい登校タイムの後に、可愛い後輩に会うなんて」
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