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「騒がしいな。」
低いしゃがれ声が俺達の言い合いを止めた。
「…坂上か…」
“坂上”と呼ばれ、自然と反応してしまう。
身体が緊張するほどの威圧的な視線。
「貴様、……双子サンドイッチとはどういうことだぁぁぁぁああ!!!」
…はい?
…双子…サンドイッチ…?
確かに俺は結衣と結菜に挟まれた状態でぶつかった。
いわばサンドイッチ状態なのか。
「俺もまだ踏み入れた事のない領域っ…双子サンド…くそっ…」
その人は、自分の膝を殴りながらブツブツ言っている。
素直に変態であろう。
「あ…あのぉ…」
結衣がその場の空気を変えた。
「宗さん、言われた通り…相様をお連れしました。」
「ふん、分かっている。入れ。」
腕を組み顎で指図をした。
終始、俺を鋭く睨んでいる。
「俺は好かんな。」
襖を抜けて部屋に入る瞬間、低い声が響いた。
何か、物凄く怨まれている気がする…
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