朝一番

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俺は、相田ゆうた。 そんな夢も一回きりで、それからの俺はすくすく育った。 あの出来事は、夢であったと完全に信じていたし、むしろそういった類の話を聞くと、呆れる気持ちになるのだった。 物事には理屈があり、それを証明するものも不可欠だ。 周りからは、考え方が固いと言われるタイプなのかも知れない。 それでも、普通の小学校に通い、普通の中学校に通い、地元の公立高校に進んだ。 入学式から二ヶ月経つ頃には、学校までの道にも慣れ、学生特有のけだるさに襲われていた。 「ふぁ、ぁ。」 あくびも奮発だ。 一限目からこうだと、午後はもっと眠たいんだろう。 俺の席は、担任の早く皆と馴染む為に、という提案からの席替えで、窓際の一番後ろという絶好スポット。 いつもなら、すぐにでも寝るのだが… 今この一限目だけは寝られなかった。
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