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俺は、先生を誘って俺の初体験を奪ってもらうことを心に決めた。
「先生。」
今までで1番爽やかであろう笑顔を向ける。
「なぁに?」
ゴクリと息を呑む。
「今日の放課後…」
「あ、あの…先生っ…」
ビクッ!
思いがけず、右側から声がした。
「はい!?な、なんですか、玉木さん?」
「消しゴム、落としたんで。拾っていいですか?」
「え?えぇ、いいわよ。」
け…消しゴムくらい黙って拾えっっ!
心の中で悪態をついて隣に目をやる。
「なっ…」
隣の席は、玉木結衣。
なんか、めちゃくちゃ睨まれてるんですけど。
「…もう戻るね。」
先生は、少し寂しそうに言った。
くそっ!
あと少しで…!!
「はい…」
あぁ…俺の美しき放課後が去っていく…
先生が行った後も、玉木は俺を睨んだままだ。
「…おい。」
「なに。」
「俺の美しき放課後を「意味わかんない。」
最後まで言わせろ。
「おい、もっと可愛く言えないか?」
「何であんたに可愛くしなきゃなんないのよ。」
玉木は、いつもこんな感じだった。
サバサバしているというか…
顔は可愛いのに、もったいない。
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