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「おい!おい、相田!」
三限目を終えたとき、俺はただボーッとしながら校庭の女子を見ていた。
「…あれもいいな。いや…あっちか…」
「…おい相田よ。」
「ん?」
「ん?じゃねぇ!お前なぁ、凜子先生という素晴らしい女性がいながら、まだ他の女が欲しいか!」
「凜子…?あ、凜子か。」
矢田先生は、凜子だったか。
「おまっ…呼び捨てすんなー!」
いけない。こいつは矢田信者だった。
「悪い。」
怒らせると面倒なんだよ。
前に一度、矢田先生のコップを奪ってこいという訳の分からない罰を与えられた。
「…全く、こんな奴のどこがいいんだ。」
そんなこと、俺が聞きたいね。
「ところで相田、今日暇か?」
……俺は、ちらっと横を見た。
玉木は相変わらず拗ねている。
「誰かのせいで暇になった。」
俺の美しき放課後は去っていったんだ。
考えると、涙がっ…
…いけないっ…泣いてはいけない!
「…?まぁいい。」
「またくだらない話か?」
クラスでも仲の良いこいつは、いつもオカルトチックな話を聞いてきては、俺を誘うのだった。
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