朝一番

7/8
前へ
/100ページ
次へ
木ノ内武士。 俺が初めてこいつと出会ったのは、入学式の次の日だった。 入学早々欠席なんて、どんな不良か。 はたまた、どれだけツイてない奴か。 クラスは、そいつの自己紹介に期待していた。 一日目に自己紹介を終わらせた全員は、木ノ内に注目する。 「木ノ内武士です!昨日は、20年に一度到来するかしないかという、吉瀬山の天狗を待っていて欠席しました!」 とんだオカルト野郎だった。 担任がツッコミを入れる勇気を無くし、教室は静寂に包まれる。 あの時の空気といったら… 今思い出しても寒気がする。 だがその後、俺はそれ以上の寒気を体感するのだ。
/100ページ

最初のコメントを投稿しよう!

30人が本棚に入れています
本棚に追加