30人が本棚に入れています
本棚に追加
木ノ内武士。
俺が初めてこいつと出会ったのは、入学式の次の日だった。
入学早々欠席なんて、どんな不良か。
はたまた、どれだけツイてない奴か。
クラスは、そいつの自己紹介に期待していた。
一日目に自己紹介を終わらせた全員は、木ノ内に注目する。
「木ノ内武士です!昨日は、20年に一度到来するかしないかという、吉瀬山の天狗を待っていて欠席しました!」
とんだオカルト野郎だった。
担任がツッコミを入れる勇気を無くし、教室は静寂に包まれる。
あの時の空気といったら…
今思い出しても寒気がする。
だがその後、俺はそれ以上の寒気を体感するのだ。
最初のコメントを投稿しよう!