30人が本棚に入れています
本棚に追加
/100ページ
「っしゃああ!」
強く握られる拳。
飛び交う歓喜の声。
今日は休日であり、隣には相変わらず木ノ内がいた。
「見たか!?今のホームランは、歴史に残るな。」
腕を組みながら、うんうん、と頷く。
今回は珍しく、オカルト的な誘いではない野球観戦だ。
「お前にも健全な男子高校生の血が流れていたとはな。」
「博士と助手は一心同体!お前も喜び勇め!!」
一心同体など、考えたくもない。
しかし、あれからの木ノ内は少し変わったようだ。
間違いなく、俺の気絶をクラス中に言い触らすと思っていたが、俺一人馬鹿にすることもしない。
それに、オカルト話が極端に減った。
良い傾向なんだろうが…
まさか、俺に気を使ってるのか?
「助手よ!!飲み物、切れたから買ってこいー!!」
…違うか。
最初のコメントを投稿しよう!