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どのくらい経ったのか、俺は目が覚めた。
一瞬、どこにいるか分からなかったが、すぐに自分が迷子になったことを思い出した。
だけど、何かがおかしい。
周りは驚くほど静かで、物音一つしない。
それに、何だか景色が暗い…
(違う!色がない!)
周りの景色全てが白黒だったのだ。
俺は、デパートの閉店時間が過ぎて、自分は気付かれずに閉められたのだと思った。
家と違ってデパートは色まで消すんだ、って本気で思った。
次に、親が俺を見捨てて帰ったんだと泣いた。
「お…かぁさぁぁんっ…っ…!」
そう叫んだ時、声がした。
「泣かないの。」
母さんではない、別人の声。
「…っひく…だ、だれ?」
顔を上げると、そこには、美人のお姉さんがいたんだ。
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