30人が本棚に入れています
本棚に追加
「引きずり込むっていったよな。それ、どうやんの?」
「護術を発動します。この世で唯一使うことができる護術と言って良いでしょう。」
「…こんな感じ?」
俺は、綱引きのジェスチャーをして見せた。
「イメージは、そんな感じですよ。」
ニコッと笑って言う。
「実際には、護術を発動し、瞬きをしたらもうモノクロ世界に移動しています。」
意外とサイバー的だな。
「他に…ご質問は?」
「…あぁ。」
あと一つくらい、かな。
あの日、彼女はスーツじゃなかった…
あれは…マニアの間でプレミアがついている、S高校の制服だっ!!
一瞬の間を置き、続ける。
「君、嘘ついてるよな?」
ビクッ
彼女に動揺は隠せない。
「な、なんのことですか…?」
「君、あの日の夢でスーツなんか着てなかったでしょ?」
「へ!?き、着てなかった?あ…あれは、気分でっ…」
「あの子、君じゃないんじゃない?」
「う…そ、それは…」
俯き黙る。
どうなんだ?
え?
「うー…」
そ…そんな可愛い顔してもダメだ。
「だいたい、嘘をつく必要ないだろ?」
「それは結衣がっ…!!」
「…え?」
「あっ…」
正にしまった、という顔だな。
最初のコメントを投稿しよう!