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「い、言うなって…いわれたんですぅ…」
なっ…
何故泣く!?
「だからっ…聞かなかったことにしてください。」
諦めるように肩を落とした。
「…あの日戦ったのは、私ではありません。」
すんっと鼻を啜る。
…抱きしめたい…
「私は、玉木結衣の双子の姉です。」
「な…に…ぃ?」
…い!?
た、玉木だと!?
「あ…あの玉木の!?双子!?に…似てないっ、似てないぞ!!」
「二卵性なので…」
しかしっ…
…ハッ!!!
「顔…あの日、間違いなく君の顔だったっ…」
玉木の顔に気付かない訳がない。
「…お、おそらく…私の顔をイメージしたのでしょう…」
顔がみるみる真っ赤になっていく。
「そんなことも出来るのか…」
しかし、何故嘘をつくんだ?
「それなら、玉木…結衣が来るべきだろう。」
「結衣は、あの日一人で怨鬼と戦った。」
確かに…一人だったな。
「本来、一人で戦うことはないんです。私は止めたのに…そのせいで貴方を危険な目に合わせた。」
…にしては偉そうだったよなぁ
「怨鬼と戦った直後に、私と入れ代わったのです。」
通りで、言葉遣いが変わったわけだな。
「結衣本人も、貴方を引き込んだ事を恥じていますし…上も許してはいないようです。」
「だからあいつが来ないのか。」
まさか、あいつが…
…俺を護る?
極めて信じがたい。
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