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すっかり時間を使い、野球の実況も終わりを告げていた。
「…で、結菜…さん?」
どう呼んで良いものかわからず、さん付けをしてみる。
「あ、私のことでしたら気になさらず。結菜とお呼びください。」
「…ゆ、結菜。」
「はい!」
なんだこの甘いやり取りは…
これは俺が夢見ていた光景じゃないか…
「私たちは、相様とお呼びしております。」
さ、様!?
「いや!ゆうたでいいよ!」
様付けなんてやりづらい。
「相様では、お気に召されませんか…?」
潤んだ瞳からは、今にも涙が溢れそうだ。そしてぷるぷるの唇で俺を相様と呼ぶ。
「…め、召されますとも。」
美人には勝てんな。
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