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頭の中の木ノ内がそろそろ消えるかと言うとき。
「そう言えば、なんでこの話しようと思ったんだ?夢で終わらせればよかったんじゃないか。」
「…それが…」
結菜は、キュッと唇を結んだ。
「お伝えしにくいのですが…私たち一族の欲でもあるので…」
「言わなきゃいけないんだろ?」
「はい…上から伝えるように、と言われております。」
上って言うけど、一体何人体制なんだ。
今わかっているだけで3人…
「私たち一族は、呪いをかけられてから今までの長い歴史すべてを貴方たちに捧げて参りました。
それも全て、木ノ内本体の呪いを払拭出来ていないがため。
しかし前の転生人を失ってから木ノ内本体の怨念が現れることが無くなってしまいました。
私たちは恐らく、坂上が転生している僅かな期間…その時でなければ、呪いを絶つことは出来ない、と。」
終始瞬きを増やしながら、俺への負担を気にしているのだろうか。
「…木ノ内綾の妖力は…推測の範囲を越えないですが…貴方を確実に巻き込みます。その前に、貴方に伝えておきたかった。」
真剣な彼女の眼差しは、嫌でも俺に緊張感を与えた。
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