30人が本棚に入れています
本棚に追加
「相田よ、俺は悲しい…」
手を額に当て首を横に振った。
き、気持ち悪い…
「何時から飲み物も買いに行けないほど退化したのだ…」
俺は今、木ノ内に馬鹿にされているのか?
「喉が渇いて声が思うように出なかった。おかげで試合は惨敗だ。」
大きくため息をつく。
「何様だ?それだけ減らず口が叩ければ十分だ。」
「き、木ノ内様だ!!!」
阿保が移りそうだな。
しかし、もしかしたら…
木ノ内には見えていたのかも知れない。
「…お前さ、」
幽霊とか見えるのか?
「なんだよ。」
「…いや、何でもない。」
俺は言いかけた言葉を飲み込んだ。
こいつ巻き込んでも仕方ないしな。
俺の表情が悪かったか、木ノ内は少しの間を置いて聞いた。
「…相田、何かあったか?その…こういう話嫌いかも知れないが…」
「嫌いな話なら止めとくよ。」
続けようとする言葉を遮り、立ち上がる。
木ノ内に心配されるようじゃ、終わってるな。
虚勢をはり木ノ内の肩をパンと叩いた。
「帰るぞ。」
最初のコメントを投稿しよう!