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もはや、何をしても一般的な反応しか返さない木ノ内に飽き、相手にするのを諦めた。
窓の外の景色は良いなぁ。
青い空、白い肌、眩しい太陽、揺れる胸…
「ちょっと兄ちゃん、面貸しな。」
一人感慨に深っていると、アニメでしか聞いたことのない台詞が飛んできた。
目を合わせたくない…
声の主は、恐らく変態だろう。
唯一救いなのが、レディの声であるということ。
一利の希望を胸に振り返る。
「さっさと返事しなさいよ!せっかく人が明るいテンションで接してんのに!!」
この口調は結衣以外に考えられない。
こいつの言う明るいテンションとは、一体なんだろう。
いや、そんなことよりも、
「玉木、聞いたぞ。」
「…そっか…結菜ったら……やっぱり、信じられないよね…?」
「驚きだ。」
「…相田にしてみれば、急に巻き込まれたようなものよね。」
「何故もっと早く教えてくれなかったんだ。」
「…あんたが…心配だったんじゃない。」
「もっと早く知っていれば…たくさんのコレクションが出来ていたのにっ…」
「…ちょっと。」
一瞬の沈黙の後
何故か、場の空気が凍りついた。
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