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今、俺の額はズキズキと痛み、周囲の冷たい視線に晒されている。
「何故デコピンをする。」
「あんたが変態だからよ!この変態っ!」
バシッ!!
「いてっ…やめろよ…」
同じところを狙いやがって。
「何が変態だ…お前こそ、姉にコスプレをさせ撮影する変態ドS妹だろう。結菜は嘆いていたぞ。」
「なっ…あんたと一緒にしないでよ!結菜のコスプレはね…あたしの理想型なんだから!!」
結衣は、拳をグッと握った。
「いい?あんたも見たでしょう…あの制服…プレミアなんてもんじゃない…」
俺は、こいつの目の奥に共有すべき黒い輝きを見た。
「あたしが創造したのよ?信じられないほど完璧だったでしょう?」
唇を歪め、ふふんと笑う。
「た…確かにっ、あれは完璧だった…」
俺には、後光すら見えた。
非難のしようがない。
「あの制服は、どうやったって手に入らない。だからあっちの世界でしか成し得ないコスプレなのよ。」
「ま…まさか…」
「そうよ。その上、結菜の顔でしか意味がない。おかげで力不足だったわ…」
コスプレへの信念は認めよう…
しかし、
「そのために俺を危険な目に…?」
「だ、だからっ…悪いと思ってんじゃない!」
結菜、こいつを慰める必要は皆無だ。
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