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「…坂上、名は?」
目の前の男は胡座をかいて座る。
その上、肘置きに立て肘を付いている。
態度がでかいな。
俺こそ好かん。
「ゆうただ。相田ゆうた、坂上じゃねぇ。」
俺が出せる最大の嫌悪感を向ける。
だいたい、誰だよ。
「焦らんでも教えてやる。俺は三木宗、こいつらと同じ、坂上を護る“神流一族”だ。」
なっ…!?
俺の心を読みやがった…!?
「読心術、って言うのかな?生れつきだ。」
ニヤリと俺を嘲笑う。
確実にナメてやがる。
「嫌い同士、両想いだなぁ。あからさまに闘志を剥き出しにされれば、俺じゃ無くとも分かるだろうよ。」
三木宗と名乗る男は、薄い浴衣を羽織り髭を生やしている。
「神流一族、って言うのか。」
「…なんだ?結菜から聞いているだろう。」
チラッと結菜に視線を送る。
「すみません…一度に沢山のお話をしたので…」
結菜は申し訳なさそうに俯いた。
「まぁ良い。」
親戚…では無さそうだな。
「何故、俺を呼んだ。」
再び三木に向き直る。
暫くの沈黙が続く。
三木の、息を吸う音が聞こえ、
「お前に、俺達と共に戦ってもらう。」
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