30人が本棚に入れています
本棚に追加
「あ…ぁ…」
足とか、腰とか、全部ガクガクだった。
怪物は蒸発するように消え、女の人が立ち上がった。
その時、
「我は消えども、怨念は消えぬ。奴の魂が消えるまで、何度でも喰うてやる…」
怪物の声がどこからか響いた。
「…立てるか。」
「ひっ!?」
女の人の問い掛けに、小さな悲鳴で答える。
「…すまない。こんなはずじゃなかった。」
女の人はしゃがんで、俺の顔を見た。
「もう大丈夫。」
にっこり笑うその人は、とても綺麗だった。
最初のコメントを投稿しよう!