胸の傷と、仕組まれた偶然

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「いやー時音君もたいむすび?とやらをしたばかりなのにすぐに出かけてしまって大変だったなぁ」 「近藤さん、たいむすびじゃなくたいむすぬりっぷだ」 「タイムスリップです」 そんなコントのような話をし続けられついついツッコミを入れてしまってさらに長引き、解放されたのはつい先程。 これから沖田と話をするのに精神的に疲れていて大丈夫なんだろうか? 時音は小さく溜め息を吐き、もう少しで来るであろう沖田を瞑想しながら待った。 「……」 待つこと数分、ぽすぽす、と引き戸を叩いた時に鳴る独特の音が鼓膜に届いた。 「いいよ、入って」 稽古場では敬語を使っていたが今は常態語のようだ。 「入るよ」 引き戸が開き沖田が足音を立てずに部屋の中へと入って来る。 「それで?僕に話したいことってなんなのさ」 真剣な瞳で見てくる沖田に時音は無言で口を三日月に歪めた。
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