タイムスリップ

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「見て、天宮さんよ!」 「何であんなに美人なんだろう…いいなぁ……」 「今日も天宮さん綺麗だなぁ……」 「中3とは思えないぐらい綺麗だよなぁ……」 腰までの艶やかな黒髪を靡かせながら悠々と歩く、天宮というこの世の者とは思えぬ程美しく麗しい容姿を持つ、まるで天女のような少女を遠目で見ている生徒達は、感嘆の言葉を次々と口にしていく。 「あ、あのっ…!天宮さん!」 歩いていた天宮という少女の前に、一人の少女が現れた。 「わ、私…春川千晴と言いますっ……私、ずっとあなたが…天宮 時音(アマミヤ トキネ)さんが好きでした!もしよかったら、これ食べて下さい!」 千晴という少女が手作りと思われるクッキーを、時音に差し出した。 「……ごめんね、私、甘いものがちょっと苦手なの。気持ちだけ受け取っておくわ、ありがとう」 そう言って、時音は少し困ったように微笑んだ。 困った顔も絵になる程の美しさだ。 「そっそうなんですか!すいませんでした!」 千晴は頬を朱くしながら一礼すると、一目散に校舎へと駆けて行った。
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