タイムスリップ

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殆どの生徒や教師は時音に近づかないのだが、極たまに近づいて来る勇気ある人がいる。 本当は甘いものは苦手では無いのだが、前に私の思いが伝わってほしいとかで、髪の毛が食べ物の中に入っていた事があったため、それからは一切食べ物を貰わなくなった。 時音は生徒達の高嶺の花で、そのすぐに消えてしまいそうな儚く綺麗な容姿から、【泡沫の黒蝶姫(ウタカタノコクチョウヒメ)】という異名がついた。 黒蝶というのは黒い髪に漆黒の瞳を持ち、その艶のある髪はヒラヒラと蝶のように靡いているから、という理由だ。 時音は皆の高嶺の花で、近寄り難いというか、綺麗すぎて近寄ったらすぐに消えてしまいそうな程儚げなので、余り近寄る者はいなかった。
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