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あとは家に愛刀がある。
名前は『乱珱(ランオウ)』
刃に桜の花びらが描かれている。
認めた者以外触れさせぬ魂を持った妖刀。
刃が桜の花びらに変わり、乱れ舞い、花びら一つ一つが鋭利な刃となって相手を切り刻む。
機嫌が良いときと悪いときと強さが異なる。
必殺技や何故そんな武器があるのかは、後々紹介しよう。
桜と夢を慈しみながら撫でる。
そして一言、呟いた。
「……この世界は、つまらなすぎる」
『……―――その言葉、誠だな?
前世を受け継ぎ総ての神に選ばれし者よ』
「どなたですか?」
焦る様子もなく、時音は冷静に問い掛けた。
『我は総ての神が集う世界、神界(シンカイ)の最高責任者。総ての神を統べる神、帝皇(テイオウ)と申す。
我はその言葉をしかと聞き取った。
そなたの望みを叶えようぞ』
「……それは…どういうことですか」
『見るも変えるも好きにせよ。たとえ変えたとしても、だれも咎めはしないのだから……』
帝皇と言う神は時音の問いに答えることはなく、声が頭に直接響いた瞬間、強風が時音を襲い、強制的に時音の意識は闇へと落ちた――…
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