刻印

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「芳賀さーん」 大した距離でも無いのに、滴る汗の量は止めどない。三木を見てるだけで少し暑苦しくなる。 「で?どうだった?」 「はい、二万円でした。」 「二万円…。」 二万円では、愛の逃避行と言う訳でも脅迫されていたとも捕れない。 「所で、キャッシュカードやその他の類…バッグの中には他に何が?」 「はっ、その他の財布の中身は🌕🌕銀行のキャッシュカードが一枚と、領収書に、小銭が少々と書店の会員カード、後はデパートの……」 「わかったわかった、財布以外でバッグの中身は?」 「えと、はい、化粧ポーチにタバコケース、飲みかけのペットボトルのお茶と、その、え~」 「なんだ?はっきりしないねぇ」 「…えと、ですね、生理用品が少々です。」 何を頬を赤らめているんだか… 「被害者の身元は?」 「あ、はい。」 三木はポケットから手帳を取り出して、パラパラとページをめくる。 「えぇ、被害者は【三浦 香苗 56歳】でして、百済市に旦那と平屋の一軒家に住んでおりまして、二人、娘と息子がいるそうです。」 「百済市って言ったら」 「えぇ、この山を含む麓の市町村です。」 「…ふ~ん、わかった。もう行っていーよ」 「あ、はっ!」 特に、手掛かり無し…か。ん?いや、待てよ…?
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