刻印

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あたしは、夜中、怖い夢を見たの。その後、眠れなくなるくらいの怖い夢。 その夢は、眠れないあたしが、パパとママの部屋へと足を運んで行く途中、ゆうくんが廊下で大声を張り上げて泣いているの。 その後、黒ずくめの誰かがパパとママの部屋から勢い良く飛び出して来たの。 その、黒ずくめの誰かは、あたしとゆうくんに目もくれないで階段を掛け下りて行くの。 あたしは、凄く気になってパパとママの部屋を覗くの。 そして、そこでいつも夢が覚めるの。 …今日もあたしは、パパとママの間に挟まって寝る事は無い。 ゆうくんが嫌いじゃないんだけど、少しはあたしも構って欲しいな。 そんな思いで、あたしは、一階のトイレへと足を運んで行くの。 うっすらと、リビングの明るさを灯す小さな電球。 あたしは、トイレに行く前にその灯りの正体へとリビングに顔を覗かせたの。 その光景は、パパとママが重なっていたの。 変な声をママが挙げながら、パパは小刻みに、早く動いていたの。 あたしは、怖くて、ゆっくりと後ずさりして、自分の部屋に足早に戻ったの。 次の日、あたしは我慢したトイレのせいでオネショをしちゃったの。 ママは、ひどくあたしを怒鳴ったんだけど、パパは、優しく許してくれたの。 それから、パパは…。
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