刻印

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どうして僕には話してくれないのかな? おとうさんとおねいちゃんのひみつ、男同士の僕とのひみつ。 僕はおとうさんが、おかあさんよりもおねいちゃんよりも、大好きだったから、絶対に守るつもりでいるのに……。 おとうさんは、おねいちゃんとのひみつも持っていて、少し残念な気持ちだった。 ――今に――    ――きっとわかるさ―― おねいちゃんの部屋から出て来たおとうさんは、優しく僕の頭を撫でて、そう言ったんだ。 なにか、わけがあってなんにも話さないのだ、僕はそう思ったからおかあさんにも内緒にしたんだ。 おねいちゃんの部屋を覗き込んだんだ、そしたらすすり泣く声が聞こえて来たんだ。 僕は、おねいちゃんの頭をなでなでしてあげたくて、おねいちゃんの部屋の中まで足を運んでいったんだ。
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