164人が本棚に入れています
本棚に追加
/19ページ
それは、ある金曜日の事だった。
仕事を終え、帰ろうとする文月を章央が呼び止めた。
「先輩!待ってください」
「なんだよ?僕はこれから…」
「たまには、付き合ってください。いいでしょう?」
章央は怪しげな笑みを浮かべる。
それを見た文月は、小さく「わかった」と言った。
章央の目的、それは…
「先輩!ここに、すごく綺麗な子がいるんですよ」
「そ、そうなんだ…」
あの店に来ること。
文月は、いつもとは全く違い、困ったような表情のまま。
「さぁ、入りましょう」
「ダッ、ダメ…」
章央はドアを開けると、無理やり文月を中に入れた。
「いらっしゃい…あら!ミツキちゃんと…」
「どうも!章央だよ。今日は会社の先輩と一緒に来たんだ」
「あら!?ミツキちゃんと章くんは先輩、後輩だったの!?」
その言葉に、文月の顔色が一気に変わる。
章央はニヤリとして、文月を見た。
最初のコメントを投稿しよう!