164人が本棚に入れています
本棚に追加
/19ページ
文月をマンションに連れて来る。
彼を部屋にあげると、章央は、ゆっくりと話し始めた。
「先輩、あれはどういう事なんですか?
いつもの姿からしたら、考えられないんですが」
すると、文月は、小さな声でつぶやいた。
「言わないで…絶対に皆には言わないで…」
「それはアナタ次第です。どうしてゲイバーで?」
「…僕、男しか好きになれないから…それと、ストレス発散のために始めたんだ」
「ストレス発散?」
文月は、コクンとうなずく。
「僕…いつも、何気ないふりして仕事してるけど…
本当は、すごくいろんな思いを抱えていて…
でも、他の人間には知られたくなくて…
永…永見さんに、あんな態度をとってしまうのも…」
そこまで聞いた時、章央はなるほどな…と思った。
あれは…わざと、だったのだ。
本当は、文月は「素直でいい子」なのだ…
最初のコメントを投稿しよう!