本当の文月

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  文月をマンションに連れて来る。   彼を部屋にあげると、章央は、ゆっくりと話し始めた。     「先輩、あれはどういう事なんですか? いつもの姿からしたら、考えられないんですが」     すると、文月は、小さな声でつぶやいた。   「言わないで…絶対に皆には言わないで…」   「それはアナタ次第です。どうしてゲイバーで?」   「…僕、男しか好きになれないから…それと、ストレス発散のために始めたんだ」   「ストレス発散?」     文月は、コクンとうなずく。   「僕…いつも、何気ないふりして仕事してるけど… 本当は、すごくいろんな思いを抱えていて… でも、他の人間には知られたくなくて…   永…永見さんに、あんな態度をとってしまうのも…」    そこまで聞いた時、章央はなるほどな…と思った。 あれは…わざと、だったのだ。     本当は、文月は「素直でいい子」なのだ…    
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