見られてしまった文月

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  それから数日後。 章央は、あの店に向かった。 すると、ある文字が目に入る。     「え?なに!?ここ、ゲイバーなのか!?」     そう…そこは、ゲイバーだったのだ。 という事は、こないだ見たあの女性も?     章央は、とにかく店に入る事にした。     「いらっしゃいませ」   中に入ると、すでに何人もの客が入っていた。     「いらっしゃい、さぁ、どうぞ、こちらへ~」     案内してくれたのは、化粧をした自分より少し年上の人だった。     ビールをたのみ、待っていると、先ほどとは違う人たちが横に座り話しかけてきた。    「お兄さん、おいくつ?」    「32」   「じゃあ、ミツキちゃんと近いかな?」   「そうね」     章央は、ミツキとは、どんな人なのかと思い聞く。   「そのミツキちゃんっていうのは?どんな子?」   「あらっ!やっぱり若い子の方が好きなのぉ? ミツキちゃんね、すごく綺麗なのよ!素直でいい子だしね」     「素直でいい子」 普段は、文月の言葉にストレスがたまっている章央には、たまらない響きだった。   「ね!その子、指名とか出来る?」   「あら~ミツキちゃんをご指名なの?ちょっと待ってて。 ミツキちゃん!こちらのお兄さんがご指名よ」    
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