章もなにもこれしかありませんよ

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小町はお粥に口をつけた。 「…あちぃ」 「そんなに熱かったですか? じゃあお粥ふーふーして食べさせてあげますね」 「っそ、そんな四季様 自分で食べられるから大丈夫ですよっ」 小町は思わず頬を赤らめた。 「少しでもお腹に入れないと元気になりませんよ? それに今日何も食べてないなら尚更のこと 私は早く小町に元気になって欲しいんです」 映姫にそう言われ、小町はしぶしぶ従った。 「ふーふー はいっ あーん」 こうやってごはんを誰かに食べさせてもらうのは何年ぶりだろう… 小町には少し恥じらう心があったが、なにか暖かいものを感じた。 「…おいしい…」 「それは良かった 作ったかいがありましたね」 「お礼にあたいが仕事をサボる理由でもお話しましょうか」 「ほう それは興味深いですね ぜひ聞かせて下さい」 「あたいは四季様に休みの時間を有意義に使って欲しいんです 四季様はいつも仕事熱心で休日も幻想郷のみんなにありがたいお話(説教)を聞かせているじゃないですか そういうことじゃなくて休みの時間は四季様に遊ぶなりおしゃべりするなり趣味に時間を使って欲しいんですよ だからあたいはサボって四季様の時間を作ってあげたかったんです 無理に趣味を作らなくてもいつも働き詰めだと大変でしょう?」 「小町…ありがとうございます こんなに私のことを気に掛けてくれて… こんな素晴らしい部下を持てて私はとても幸せです でも小町、貴方のしていることは職務怠慢ですよ 私のことは大丈夫ですから、今度からしっかり仕事をこなしなさい」 映姫の目には少し潤んでいるように見えた。
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