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１８年前━━
フランス中に話題を振り撒く、“ある男”が建てた孤児院が存在した。
『普通の孤児院です』
『お爺さんが経営してますね』
街の人々にその施設に関して聞くと、だいたいは、こういった返答が返って来る。
もちろん…
その施設を建てた人物が、“あの男”だと知らなければの話…
この年の１２月２３日は、街の人々にとって、いつもと変わらないクリスマスの飾りつけに勤しむ日。
フランスでは、翌日の２４日の夜を家族と楽しく食事して過ごすというのが一般的なクリスマスで…それは、“あの男”にとっても、毎年恒例の行事であり、いつもと変わらない日を“家族”と過ごしていた。
けれど“あの男”にとって、“家族”と平穏に過ごしたこの年の１２月２３日は、生涯忘れる事はない。
あるいは…
世界中の人々が、“あの３人”と平穏に過ごした最後の日だったかもしれない。
※ 『フランスではクリスマスとは言いませんが、分かり易くする為に変えてません。』
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