話零第

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話零第

さて、 時は江戸の崩壊も 近しくなる頃。 闇の中、 名高い幕臣達に 追わるる者が一人。 江戸の城から抜け出し、 知る人の居ない処へと 駆けるその姿は美しく。 短く揃う黒髪を 揺らしつつ、 耳に嵌まる 紅の飾りを煌めかせて。 ただひらすらに 西へと駆ける、 その者の名は―――― .
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