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何も無い街だから、必然的に悪に走ったのは仕方がないことだった。
ゲーセンも無い様な街で、俺らみたいな奴らの行くとこなんざ限られてる。
二戸の旧国道4号に入った喫茶店“左馬”。
昼は喫茶店を営み、夜は少し洒落たバーへと変わる。
学校が終われば家にも帰らずに、足は自然と左馬へとむかう。
扉を開けばまだ薫るコーヒーの薫り。
定位置となったカウンターの右端へと腰かけた。
「・・・ハルさん、ちょっと頼み事があるんだ」
ハルさんとはこの喫茶店のマスター。
「ん~?」
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