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あるところに、神崎直人という少年がいた。
幼少期より、親が面倒を見ずに放りっぱなし。不幸と言えば不幸な少年だった。
わずかな賃金を得るため、読み書きより先に、工事技術や、皿の洗い方、果ては物腰の柔らかさまで学んだ。
そしてそのわずかな賃金は両親の酒代と自らの小学校の資金へと消えていった。
少年は幼心ながらに感じていた。
『あぁ、きっと自分はこの両親が死ぬまでずっと自由になることなどないのだろう』と。
そんなある日、少年に転機が訪れた。
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