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少年はいつしか抜き身の刀のような威圧感を漂わせるようになった。
その威圧感のせいか、袋小路はもはや誰も近寄らない場所となっていた。
高校、いやせめて中学までは卒業できるよう、少年は決意した。
勉学面は問題なかった。
捨てられていた教科書を読み漁り、得た知識はすでに一般のそれをはるかに凌駕していた。
一般中学に入学、意外とすんなり入れた。
全寮制の学校もあったのだが、金がかかるし、何より袋小路の闇がどこか心地よかった。
もはや、暗黒の上に敷かれたレールはほぼ完成した。
その行き着く先は『復讐』
父と母は仕方ない。アレは事故だ。しかし自分を闇に突き落とした母方の親戚は許せない。
少年は決意した。
闇の中、ひっそりと。
しかし、闇だからこそ、光が君臨したのを気づいたのかも知れない。
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