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つまるところ僕は、君が、好きだった(臨波) (また始まった) 突然ぺらぺらと喋り始めた上司に、波江は顔をあげた。話し手の視線がこちらを向いていないことを確認して書類に目を落とす。無駄に長ったらしく、理屈っぽい彼の持論など元より聞く気はなかった。 声が途切れたのを見計らって口を開く。 「で、何が言いたい訳?」一瞬沈黙が降り、要するにさ、とやや掠れた彼の声。そこまでして喋りたいのか。 「俺の、人間に対する愛は間違いなく平等なんだ」 「知ってるわ」 そう相槌を打ちながらも、波江の手は休むことなく紙上を走る。 「ところが、『特別』が出てくるんだよね、良くも悪くも」 「あなたにも人間らしいところはあるのね」 「悪い方の『特別』の筆頭はシズちゃんなんだけど」 「よく知ってるわ」 臨也の足音が、こちらに近づいてくる。 (偉そうな御託並べてないで仕事しなさいよ) 波江はそう言いたくなるのをこらえ、続きを待つ。 「他にもいるんだよね、困ったことに。例えば」 足音が、止まった。 「あんたとかね、波江さん」 ペンが手から転がり落ちた。反射的に顔をあげた波江の眼前で、臨也がにやりと笑った。 title by 確かに恋だった まさかのノーマルカプでした。しかも臨波!でもこの黒幕コンビ好きです。
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