出会い

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志摩は興味がなく、独り重々しい足取りで教室へと向かった。教室は賑やかだとしても志摩としては虚無感たっぷりだった。 転校生が来るとなるとクラスのテンションは絶頂だ。どこから持ってきたのかクラッカーを鳴らして出迎えようとするのがいれば(多分、近くのコンビニで買ってきたのだろう)黒板にハデハデしく“Welcome to our class ”と書いてるのもいた。 ドアがガラリと開いた。みんな急に静かになった。先生が入ってくると、何と……。 クラス全員唖然とした。その顔は志摩と同じだった。似ていると言う域を越えている。しかも背格好までも同じだった。 転校生と目が合った。その転校生も志摩に気づいたようだ。口がぽかんと開けて微動もせず固まっていた。志摩と同様状況がつかめずにいた。
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