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家庭科室に入ると、少し前に別れた見慣れた人物がいた。
椿と藤井と三葉と菊乃。
つまり3つのチームの一つだ。
・・・だがその中には、明らかに変わってしまった見た目をした人物がいた。
「みつ・・・ば?」
彼女は首から大量の血を流して目をつぶっていた。
「さっきオニから逃げる時に・・・噛まれたんだ。この遺体はオニから逃げ切ったあと、ここに運んだ。
かろうじてまだ息はあると思って運んだのだが・・・ついさっき息を引き取ったよ・・・」
菊乃は悲しげな様子で三葉をそっと抱きしめた。
誰もが悲しんでいるその空気のなか、一人青葉は何かに気づいたように大声で叫んだ。
「三葉から今すぐ離れろ!」
そう叫んだ瞬間、死んだはずの三葉が菊乃の首に勢いよく噛み付いた。
「がぁ・・・あ、あぁ・・・」
菊乃は、何が起こったかわからないといったような顔で驚きつつ、目から、口から、血を流した。
そして、菊乃の首の一部の肉を引き千切ったまま、今度は青葉たちに狙いを定める。
「あがぁぁぁぁぁ!」
生前の可愛らしかった彼女とは思えない低い声の唸り声と共に、今度は藤井に襲い掛かる。
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