サバイバル

5/28
前へ
/117ページ
次へ
「ねぇ、イチャイチャしてるところ悪いんだけど」 「イチャイチャしてねぇ!」 「うん、そうね。それでちょっといいかしら?」 紅葉の全力の叫びを見事にスルーした少女の名前は志乃、学年で一番の才女だ。 「なんだ?」 「私もあなた達のチームに入れて」 「確かチームは三人までだったな、どうする紅葉?」 「別にいいぜ」 「ありがと、よろしくね」 「「おう」」 その後三人で雑談してから解散した。 紅葉は真っ直ぐ寮に帰る事はせず、旧校舎の屋上に向かう。 紅葉は暮れていく街並みを屋上からボンヤリ眺める。 「明日、私達もついて行こうか?」 不意に誰もいない屋上に謎の声が響く。 「来なくていいよ、たかがサバイバル演習だろ」 「しかし」 「それに俺の能力は気軽に使っていいものじゃないんだよ、使う気もないしな」 「そうか、紅葉がそう決めたなら好きにするといい」 目に見えぬ誰かと会話する紅葉を夕日が優しく照らした。 、
/117ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加