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「政道…、私、旅行に行きたいわ」
高平が入院している病院で、
美咲は泣きながら微笑んだ
「…?」
予想外の言葉に、どう返事をしていいか迷っていると
美咲はふふっと また微笑んで
「最後に思い出が欲しいの…、駿の元へ戻る前に」
君は答えをくれた。
それに対して
「…うん」
俺は、泣く事も笑う事も無く
ただ単に頷いた
…それからの日々は
まるで何も無かったかのように
二人で旅行の計画を立てた
休みの都合上、一泊しか出来ないが
出来るだけ遠くへ…
遠くへ 行きたかった
…
「やっぱり、やめようかなって思ったの?」
「えっ?」
席に座り、落ち着いた所で
美咲は俺の目を見ずに言ってきた
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