4/4
前へ
/45ページ
次へ
ごめんなさい、田中さん。 その日、学校を早退した。 うん。いれるはずがない。 友人は無理矢理教室に連れて行こうとした。 馬鹿め、行けるはずないだろ! すでにあの告白から5分。 廊下を歩いてると、他の学年の視線が痛いほど刺さった。 激しく後悔。 次の日、休むと言ったら親にあっさり反対された。 うん、だよね。 教室までの視線が痛い。 さっき知らない女子に「頑張ってください」って応援された。 心臓早いです。 もう教室は目の前。 はい、開けます。 ………え、と。 なに……これ。 『おめでとう』 黒板にはでかでかとそう綴られていて、教壇の前には田中さんが顔を赤らめ俯いている。 てくてくと俺の目の前に来た田中さんは、口を開く。 「私も、本井君のこと好きなんです」 あの、夢ですか。 クラス中に拍手の音が響く。 やべ。 幸せとかのレベル軽く越えてます。 すんません。 今じゃ全校生徒と全教師公認カップルです。
/45ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加