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ごめんなさい、田中さん。
その日、学校を早退した。
うん。いれるはずがない。
友人は無理矢理教室に連れて行こうとした。
馬鹿め、行けるはずないだろ!
すでにあの告白から5分。
廊下を歩いてると、他の学年の視線が痛いほど刺さった。
激しく後悔。
次の日、休むと言ったら親にあっさり反対された。
うん、だよね。
教室までの視線が痛い。
さっき知らない女子に「頑張ってください」って応援された。
心臓早いです。
もう教室は目の前。
はい、開けます。
………え、と。
なに……これ。
『おめでとう』
黒板にはでかでかとそう綴られていて、教壇の前には田中さんが顔を赤らめ俯いている。
てくてくと俺の目の前に来た田中さんは、口を開く。
「私も、本井君のこと好きなんです」
あの、夢ですか。
クラス中に拍手の音が響く。
やべ。
幸せとかのレベル軽く越えてます。
すんません。
今じゃ全校生徒と全教師公認カップルです。
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