嫌われ者

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あれからどれぐらい殴りあっただろうか? 左腕はさっきから感覚がないところをみると使い物にならないだろうし、身体中ボロボロで満身創痍 対して相手はボロボロながらも力の衰えは無さそうだ。 「ハハ、アハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!」 「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■!!」 言葉は違えど互いに歓喜の笑い声をあげる。 久しぶりにこんな楽しい喧嘩をしている。 しかも相手は人外の高位種 燃えない訳がない 俺らは互いに次の一撃で決めるべく己の力を溜める。 そして全くの同時に攻撃を放とうとした時 「残念ながら時間切れです」 道化師が間に入り込んできた。 「本日は退いて頂きたい、まだ貴方達が決着を付けるには時期が早すぎる」 「わかるでしょう?」と森羅へ問いかける道化師 少し考えた後、森羅は構えを解いて頷いた。 道化師はそれを確認すると今度はこちらを見る。 「安心しろ、興が冷めた。なによりその時期が来たら決着をつけられるんだろ?」 「ええ、それももっと大きな舞台でです」 俺も構えを解く 森羅と俺はしばらく見つめあい唐突に森羅がなにかを投げてきた。 俺はそれを受け取り確認すると真紅の玉が数珠繋ぎされているネックレスだった。 もう一度森羅を見て頷くと森羅は黒い風と共に消え去ってしまった。 真紅のネックレスを付け、奴のメッセージを心に刻む。 「ああ、いずれは決着を付けてやるさ」 こうして俺の最初の戦いは終わった。
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