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俺らはさっきまでとは違い真剣な様子で話し合う。
「先日、この学園で新たな力の持ち主が誕生しました」
「そいつが前にお前が言っていたお伽噺の主人公なのか?」
「いいえ、その方も脇役―――貴方よりも主人公に直接的に手助けをする方です」
「なるほど理解した」
「助かります。更に1ヶ月後の今日、主人公たる人物が力に目覚めます」
だが俺の出番はまだ先だろう...主人公を支えるのはそいつの仲間達だ。
「貴方にはそれまでの間にやってほしいことが幾つかあります」
敵のことや今後の方針について入念な打ち合わせ、自分の力についてや様々なことがある。
「最後なのですが...その、非情に申し訳ありませんが授業に出てはいけませんか?」
「いや...とは言えないよな」
正直言って出たくない、教室にも行きたくない。
「丁度次の時間は昼休みですし頼みます、今後は出ていただいた方が都合が良いのです」
面倒臭い、本気で面倒臭い。
でもお伽噺話の進行がスムーズになるんだったら出てやるか。
「じゃあ話しの続きは授業中に念話で―――」
「そんなものはありません」
案外、想像していた異能力は無いようだ。
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