嫌われ者

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俺は非情な人間だと思われても構わない。 言われても傷つかないと言ったら嘘になるかもしれないけど俺は俺が正しいと思ったことをしただけだ。 それに悔いはない。 むしろ清々しいぐらいだ。 誰が言った「幸せは己の手で掴みとるもの」だと 偉いこと言ったよアンタ ここでふと思った。 なんか哲学的なことばっかり考えてオッサン臭くない?と そんなことを思った2010年の秋 俺は行く宛もなくブラブラしていた。 この学園でお気に入りの場所を両方占拠されているので戻る場所もない。 「どないしよか?」 思わず関西弁になってしもた。 「見つけたわよ、如月龍也!!」 目の前に現れたのは赤い髪と瞳の少女 だが俺はあえて素通りすることにした。 しかし回り込まれて再度立ち塞がる。 「見つけたわよ、如月龍也!!」 どうやら仕切り直すつもりのようだ。 「ここで会ったが百年...」 また無視して通り過ぎる。 「なにが不満なのよ!?」 なにが不満と言われても困る、強いて言うならば存在? とにかく面倒臭い奴に絡まれたな。 「邪魔だ花音」 こいつの名前は高町花音(たかまちかのん) 天下の生徒会役員様です。 顔は可愛いのだが残念なことに身長が153センチメートルという学園一のチビ助 生徒会のマスコットキャラとして親しまれていたりなかったり。 小動物みたいな奴だが少し昔、中学生の頃に俺がみんなから嫌われ者になる事件以来、俺になにかと突っ掛かってきやがるのだ。
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