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放課後、自宅への帰り道
俺はコンビニで夕飯を買って帰路についていた。
頭の中では今日起きたことが何度も再生され繰り返されている。
信じられないようなこととはなにか?
それが一体どのように自分へ影響を与えるのか?
周囲に被害がいくのは別段気にならないが自分へ被害が来るとなると何かしらの対策をとる必要がある。
「面倒くせぇ」
むぅ、どうすれば良いのやら。
一人悶々としながら帰路を歩く龍也に"それ"は突然起きた。
周囲に人が一人もいないのだ。
家も全て電気が消えさながらゴーストタウンと言ったところか。
全身に汗が滝のように流れるのを感じる。
あの謎の少女と出会った時と同じ...いや、それとも違う恐怖感。
俺は歩く。
否、歩かされる。
止まったら死ぬ
振り向いたら死ぬ
走ったら死ぬ
慌てたら死ぬ
”死”が間近に迫る恐怖感
龍也は悟った
「これがあの女の言っていたことか」
口に出さずにはいられない。
なぜなら目の前に奇妙な生物が現れたからだ。
肌は黒く光沢があり人の形をしていて見ようによれば全身に黒い鎧を着ているようにも見えるが明らかに違う生命体だと理解できる。
それほどまでに圧倒的な存在感
龍也は恐怖で停止していた脳みそをフル回転させる。
――生き残るにはどうするか――
その為だけに数十兆もある細胞が働きだす。
戦う?すぐに殺される。
逃げる?背を向けた瞬間に殺される。
助けを呼ぶ?それこそ無駄だ。
数個ある選択肢の中から一つ選び更にその選択肢の中でも一番生存確率が高い策を激選していく。
敵との接触からこの間約二秒
永遠にも感じるこの二秒で龍也は導き出した答えを直ぐ様実行に移す。
黒い生物に肉薄し全力で脇を通り抜ける。
意表を突かれた黒い生物は勢いよく振り返り襲いかかってきた。
俺は近くにあった鉄パイプを掴み振り返る時の遠心力を使って相手の頭に向かって振り抜く。
クリティカルヒットして敵は吹っ飛んだが鉄パイプは半分に折れた。
精一杯の力で殴りつけたのは良いがまるで手応えがない。
相手がどうなったかを確認する前に全速力で走り去る
導き出した答え、それは”全速力で逃げ全力で迎撃する”だ。
常に100%以上の力を出さなければならない。
1%の緩みも許されず走りつつ迎撃をしなければならない。
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