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自転車に跨がり国道一号線に沿って走り始める
早朝の空は赤みを帯びて街をゆったり目覚めさせてくれる様。空気は少し冷たく、シンとしてこの夏に賑わった蝉の泣き声も聞こえなくなり物寂しさも包んでいる
サブロウは薄手の長袖一枚とデニムといった軽装で、ポイントへ向かう
ポイントととは、今サブロウが食べていく為に生業としているアルミ缶の収拾である。
オリンピックの開催前は高額で取引されていたアルミや鉄や銅も、今では大幅に値段が下がり商売あがったりだ
生家としている松林から国道に沿って20分程自転車を漕ぎ、茅ヶ崎方面に向かう。
この辺りは極端な坂も無く歩道の舗装も滑らかなのでサブロウのオンボロの自転車でもまるで苦にならなかった。
秋の候とはいえ、しばらく乗っていると体が温まって汗ばんでいくのがわかる。
サブロウがナワバリとしている住宅地区に入り、辺りを物色する。役所の収拾が来る前に事を済ませないといけないので自ずと急ぎ気味になる。
収拾ポイントを初め、所々に落ちているカンも拾い集める。
一カ所で余りにも多く集めると通報され兼ねないので、何カ所かに分けて仕事をするのだ。
あらかたの量を荷台と前籠に積み込み一回目のクズ集めは終わサブロウはりジャンク屋に足をのばした
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