朝日

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24歳の時に入社して8年勤めた鉄工所だったが金の不安以外は何も感じなかった サブロウの勤務態度は至って真面目で与えられた仕事を一日黙々とこなす、いわば職人のようなタイプであった。真面目だったけれども同僚からすると、どちらかと言うと取っ付きにくい雰囲気だっただろう。 これからの身の振り方を考えたがコレといった物も思い付かなく、暫くサブロウは惰性の日々を送っていた。 まだその頃は幾分かの貯金もあったし当面は少し遊んでも食っていかれる計算があった。 今まで特に派手な遊びもせずに、仕事が終わってから家でチビチビと缶ビールを二本飲むくらいの地味な生活だったし、勿論恋人も居なかった。パチンコや競馬などもやらず趣味らしき物もなかった
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