兄さんが欲しい

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この日を待ってた。 日本でやっと20歳。 やっと大人になれる。 今日は家には、僕とヨンベ兄さんだけ。 この日を待ってたんだ。 「スンリ、誕生日おめでとう!」 「兄さんありがとうございます。」 「ごめんね?他のみんな仕事で…」 「いいんです。」 だってアナタがいれば充分だから。 「スンリも大人になったねー。背もおっきくなったし。」 「兄さんより大きいよ(笑)」 「う…僕気にしてるのに…」 ああ、可愛い可愛い。 大人になれる、アナタに近づけるこの日を待ってたんだ。 「兄さん、可愛い」 「なに言ってんのスンリー(笑)僕が可愛い?どうしたのー?」 「本当に、可愛い…」 「スンリ…?」 僕の雰囲気に気づいた? 僕の気持ちにも気づいて。 「僕、欲しいモノがあるんです。」 「え!ああ、プレゼント渡してなかったね!ちょっと待ってて、」 「いらない。」 「へ?」 「僕が欲しいモノ…兄さんだよ」 「う、そ…」 「嘘じゃないよ。僕が大人になるまでって…ずっと我慢してたんです。」 兄さんを壁に追い詰める。僕より小さい兄さんは自然と上目になってる。 「僕が、好き、なの?」 「はい、そうです。」 お願いします。早く僕を止めて。 苦しい。泣きそうだ。 「スンリ、泣かないで…」 「兄さ…」 「僕も、好き。」 「……えっ!?」 「スンリが、大人になるまで言わないって決めてたけど…先越されちゃったね。」 「う、そだ…」 「あは、嘘じゃないよ!…スンリ、生まれてきてくれて、ありがとう。」 やっぱり兄さんには勝てません。 大人になっても涙目の僕は、可愛い兄さんに甘いキスをもらいました。 END
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